KUEB(Kobe University Engineering Biology Project)
バイオものづくり共創研究拠点では、バイオの力を活用して持続可能な資源から製品を製造するバイオものづくりの研究開発に取り組んでいます。
基盤技術を深化させる「合成バイオ」「スマート育種・バイオ生産」「先端分析評価・プロセス」「オートメーションDX」の4領域と、社会課題の解決を目指す「次世代バイオメディカル」「カーボンニュートラル」「次世代フードテック」「バイオエコノミー」の4領域において、国際的な研究チームによる共同研究等、異分野共創研究を推進します。
Kobe University Engineering Biology Project
(KUEB:キューブ)
Kobe University Engineering Biology Projectとは、バイオものづくり共創研究拠点を中心とした研究プロジェクトの略称です。KUEBでは、8つのチームが連携して、コア技術の開発とその活用を推進するとともに、研究者の相互交流を通じて、国際的な人材循環を促進します。

合成バイオチーム
チームリーダー:
西田 敬二
(先端バイオ工学研究センター 教授)
合成バイオチームは、安全かつ精密なゲノム編集技術の開発を通じて、生物改変の新しい可能性を切り拓いています。DNAを切断せずに狙った変異を導入できる独自技術により、従来のゲノム編集が抱えていたリスクや制約を克服し、植物や微生物なども含めた幅広い生物を対象に、食料、資源、医療分野への応用展開を含めた研究を進め、地球規模の社会課題の解決につながる合成生物学の社会実装を推進します。



先端分析評価・プロセスチーム
チームリーダー:
蓮沼 誠久
(先端バイオ工学研究センター 教授)
先端分析評価・プロセスチームは、酵素探索から代謝制御、細胞工場設計までを統合的に最適化し、バイオものづくりの革新を目指しています。従来、研究者の経験や試行錯誤に依存してきた工程を、データ駆動型の設計と実験自動化によって根本から変えることが目標です。分析化学、AI、情報科学、ロボティクスを融合し、DBTLサイクルを高速に回すことで、研究と産業をつなぐ実装可能なバイオ生産技術の確立に挑戦しています。



スマート育種・バイオ生産チーム
チームリーダー:
荻野 千秋
(工学研究科 応用化学専攻 教授)
スマート育種・バイオ生産チームは、農業・産業から生じる未利用バイオマスを資源として活用し、燃料や化学品、素材を生産する技術の開発に取り組んでいます。
特に東南アジア地域と連携し、現地で発生する副産物や廃棄物を活用したバイオ精製プロセスの構築を進めています。
エンジニアリングの視点を持ちながら原料調達から前処理、微生物生産、精製までの研究を実践的に行うことで、持続可能で国際的に展開可能なバイオ生産モデルの実現を目指しています。



オートメーションDXチーム
チームリーダー:
石井 純
(大学院科学技術イノベーション研究科 教授)
オートメーションDXチームは、微生物の設計・構築・評価を自動化・高度化するための基盤技術開発に取り組んでいます。遺伝子設計から培養、データ解析までを一貫して扱い、AIとロボットを活用した次世代のバイオ研究環境の構築を目指しています。実験の高速化・再現性向上だけでなく、得られた技術やノウハウを他分野と共有することで、学際的な共創を促進し、バイオものづくり全体の加速に貢献します。



次世代バイオメディカルチーム
チームリーダー:
青井 貴之
(医学研究科 教授)
次世代バイオメディカルチームは、iPS細胞を中心とした細胞治療技術の研究開発を推進しています。分化効率の高い細胞作製技術や細胞機能の安定化に関する基盤技術を整備し、がん、再生医療、内分泌疾患など多様な領域で応用可能な細胞医療の実現を目指しています。あわせて、細胞が体内で安全かつ持続的に機能するための生体適合性ソフトマテリアルの設計・評価技術、生体環境制御、基礎生物学的解析にも取り組み、細胞治療を支える周辺技術の開発を進めています。細胞そのものの性質解明から、移植後の環境づくり、臨床応用に向けたシステム構築まで、幅広い専門性を柔軟に結集しながら研究を展開しています。これらの取り組みを通じて、先端医療をより多くの人に届けるための、普遍的で再現性の高い細胞治療技術の確立を目指しています。



次世代フードテックチーム
チームリーダー:
石崎 公庸
(理学研究科 教授)
次世代フードテックチームはモデル植物「ゼニゴケ」を新たなバイオものづくりプラットフォームとして活用する研究に取り組んでいます。成長が早く、遺伝子改変が容易という特性を生かし、食料や高付加価値成分の生産、カーボンニュートラルな資源循環への応用を目指しています。基礎研究から社会実装までを視野に入れ、研究者同士の分野横断的な連携と企業との協業を通じて、持続可能な食とバイオものづくり産業の未来を切り拓きます。




カーボンニュートラルチーム
チームリーダー:
蓮沼 誠久
(先端バイオ工学研究センター 教授)
カーボンニュートラルチームは、CO₂や植物バイオマス、廃棄物等を原料として微生物に有用化学品や機能性素材、エネルギー原料を生産させる技術の開発に取り組んでいます。そのためには微生物の代謝制御メカニズムや酵素・タンパク質の作用機作の理解が必要です。本チームではラボオートメーションやAIも活用して基礎学理を追及し、得られた知見を基に、代謝を最適化したスマートセルや反応性及び活性を改変した新奇酵素の開発を進め、石油依存からの脱却と資源循環型社会の構築への貢献を目指しています。




バイオエコノミーチーム
チームリーダー:
茶谷 直人
(人文学研究科 教授)
バイオエコノミーチームは、バイオものづくりに関する科学技術の研究と社会実装に関するELSI(倫理的・法的・社会的課題)に取り組んでいます。KOBELSI(神戸大学生命・自然科学ELSI研究プロジェクト)のメンバーが中心となり、科学者との対話を通じ課題を可視化して検討しつつ、遺伝子改変などの新しい技術の社会実装に関する適切な社会受容のありかたを探っています。哲学、法学などの人文社会科学的視点を取り入れ、科学技術と社会をつなぐ議論の場を形成しています。






